2017年06月24日

関東周辺をぐるり散策・明治神宮の花菖蒲

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梅雨入り後もまとまった雨は降らないが、澄み切った、晴れ渡った空なのに、今にも雨が降りそうな日がある。昨日もそうだった。「涙雲」と言われもするが、空を見ながら情けなくなり、傘?どうしょう?と涙で目が曇る。まあ、晴れの日もあれば雨の日も。目をうるうるさせながらも輝く朝がやってくる。恵みはぐるりと回るって感じ。さあ、明治神宮方面へ散策しょう。

明治神宮は2020年に100周年を迎える。大都心の真ん中に緑が生い茂る永遠の杜、かっては荒れ地のような畑の景観が続いていた所に、大正4年から「永遠の森」の壮大な造営工事が始まり神社が造られた。森林はかなりの年月をかけて日本人が作り上げたものだが、出来るだけ手を加えずに、自然の力による変化を待ち、今の状態がもたらされているのも、先人たちの祈りと、その想いに応えようとする人々の未来への希望が積み重ねられているからである。

参道わきに酒樽やブルゴーニュからワインがずらり〜と並んでいる。これは明治天皇が日本酒やワインに造詣が深く、「よきをとり あしきをすてて 外国に おとらぬ国と なすよしもがな」という歌を詠んでおられるように洋食を召し上がり、ぶどう酒を好まれた由縁から。

渋谷には多くの外国人観光客が訪れるが、なんと一番人気の観光スポットは明治神宮。確かに私も外国人をよく見かけるが、その人気の秘密はなんなんだろう?確かに一面の自然林をまじかに感じられる。神社のお供えのお酒がワイン樽なのもユニーク。又、昼下がりの散歩コースにもいい。自然に溢れる参道も長い。都会から気楽に行ける別世界という人もいる。電車やバスを乗り継かなくても行けるし、原宿や代々木公園も近いってことだろうが、私にとっても国際色豊かな神宮のお参りは大好き。

6月中旬、明治神宮の花菖蒲が綺麗に咲きだす。それでは花菖蒲を鑑賞しょう〜と代々木公園内を横切り明治神宮へ向かう。まず、大鳥居をくぐり、清々しい空気が満ちる森中に佇む花菖蒲園へと散策開始。池に近づくと水連が、水連が咲いている。うぉぉ可憐できれい!パチパチとシャッター。予期せぬ水連の開花に身も心も小躍り。嬉しいよ〜。

花菖蒲田へと回ると、江戸時代の花が咲き誇っている。花菖蒲田の水源は「清正井」から湧き出た水だが、水田に水は流れていなかったので、作業している方に聞いた。「花菖蒲は水生植物ではないので根に水を張る必要はないが、水をはると見栄えがいいので、来週ぐらいに田に水を流します。」とのことだった。なるほど「水無月」に花菖蒲と水田が良く似合うってこと。だって六月は田に水を引く月だもの・・・。

明治神宮の花菖蒲は、明治26年、明治天皇の思し召しにより昭憲皇太后のために植えられた。明治神宮御造営当時は、江戸系の48種だったが、その後、東京近郊から江戸系の花が集められ、現在では約150種1500株が咲いている。深い森に囲まれ、流麗な曲線を描く菖蒲田や、茅葺屋根の四阿(あずまや)がたたずむその風雅な景色は画家たちにも愛されてきたが、武将・加藤清正が掘ったとされる井戸、清正井(きよまさい)から湧き出る清らかな水に潤う菖蒲田は誠に麗しい。

清正井の水に触れんと長い行列が続く。私も順番待ちをし井戸へ。透き通る水鏡に顔を映し、自分の内部を観るに尽きると、清めの水に映る顔がそう語る。清涼な境内に凛とする木々内を散策し、カフェテラスで一休み。たまたま隣り合わせになった女性とおしゃべりが始まり、小一時間二人はスポーツのこと、人生のことなどを楽しく話しあう。ゆったりと和らげるひと時だった。今回も出会った方に私の写真を撮っていただいたが、優しい方ばかりで嬉しかった。ありがとう、ありがとう!!!!     

        梅雨のあとさき
     子どもたちが成長し
     やがて、遠のき
     巣立つ後ろ姿を見送る
     親から離れる季節の到来
     これは梅雨ではなく
     手ごたえある夏の季節

     幸せにと祈る心は梅雨の後
     門出を祝う心を馳せながらも
     気分すぐれぬ梅雨の狭間
     寂しき親心、ふつふつ湧きおこる

     我が人生の収穫時、今、ここに
     人生、光明矢の如し・・・
     ああ、梅雨の晴れ間に
     夏の陽を集め、我が内部に貯えよう

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代々木公園から明治神宮へ向かう
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明治神宮の大鳥居
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鳥居前
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姪神宮本殿(ただいま修復中)
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奉納されたワインの樽
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花菖蒲園の入口
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四阿

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南池(なんち)・水連
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御釣台
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隔雲亭
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花菖蒲田
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鶴の毛衣(つるのけごろも)
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五湖遊(ごこあそび)
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三笠山(みかさやま)
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仙女洞(せんにょのほら)
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宇宙・大空
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都の巽(みやこのたつみ)
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鶴の毛衣(つるのけごろも)
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宇宙(おおぞら)
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加藤清正が掘ったとされる「清正井(きよまさのいど)」
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花菖蒲園の出入り口
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明治神宮内のカフェテラス

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2017年06月20日

関東周辺をぐるりと散策・上野公園

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6月初旬、上野で友人と昼食を楽しむことに。友人は着物スタイルだと言ったので、それではカメラを持っていこう〜と張り切った・・・が、真夏並みの天気だったからか、彼女のいでたちは服だった。そりゃそうだよね〜当然。まあ、いい。その辺りの風景でも撮ろう〜とぶらぶら散策開始。

前日のテレビで上野公園に設置されている像「自由な女神」が紹介されていたので、派出所で所在地をお聞きし、東京芸大方面へと向かった。おお、ありました!「自由の女神」ではなく「自由な女神」の名称で・・・。

かって「自由の女神」はフランスがアメリカに共通する理念を表現するために贈られたが、その女神像のレプリカが宮城県多賀城市に設置された。その後、石巻市へ移設された。2011年の東日本大震災後、レプリカは撤去され、宮城県仙台市の倉庫に保管。それを東京芸大生の村上愛佳さんが引き取った後、先端芸術表現専攻による卒業・修了制作展の情報を発信するという名目で上野公園に設置された。

村上さんが名付けた作品「自由な女神」は、東京芸術大学の今年の卒業・修了作品展で入賞した。村上さんは、「作品を通して皆様にお会い出来れば幸いです。本プロジェクトでは、女神像レプリカが震災後も立ち続けた石巻市と他地域の共通点を想像し、上野から新たな移設先を見つけたい。あなたが思う移設先と、石巻市との共通点をメールで送ってください」とメッセージされている。さて、さて何処がいいのかなぁ〜。

実は、1973年、私たち家族はニューヨークのマンハッタンで「自由の女神」に登っていた。台座部分にはエレベータで、そこかららせん階段を上って王冠部分の展望台へと。女神は全ての弾圧、抑圧からの解放と、人類は皆自由で平等であることを象徴し、かぶっている冠は七つの大陸と七つの海に自由が広がるという意味を持つ。アメリカの国の在り方の理念が象徴されていると思った。展望台から眺める広大な町風景に魅せられながら、思わず両手をさしだした記憶がある。

上野公園内にはいくつかのタイトル付きのオブジェが置かれており、公園の芸術性を醸し出す雰囲気がある。大噴水の飛沫の向こうに東京国立博物館が見える。私たちはその博物館の庭園を散策した。静寂な池に鴨が涼しい輪を画く光景。二人は揺れる水面を見つめながら、旅をした時のこと、美術館で魅力ある絵画の観賞の数々、はたまたレストランで談笑したりと、過ぎし日のカレンダーをめくり、こぼれた夢、思い出を拾うように、ゆらゆらと回想した。40年にもわたるお付き合い。追憶を追い払わない・・・、ほんに気の合う友人である。

さあ、上野動物園でパンダをみょうと張り切ったが、メスの「シンシン」の体の変化などが認められるため、5月から展示が中止されている(6月12日に赤ちゃんが誕生)ただ今、リーリー君のみの見学。二頭そろった時、またやって来よう〜と、レストランへ向かった。はい、ピザ&コーヒー!!!

昼食後、東京都立美術館で「バベルの塔展」を鑑賞。16世紀ネーデルラント美術を紹介していた。独創的な画風で人気を博したヒエロニムス・ボスの油彩画や、ボスの画風を受け継いだブルュ−ゲルの版画、そこに登場する怪物たち、傑作「バベルの塔」驚異の描写はまさに至宝。ボス&ブルュ−ゲルの魅惑の空想世界、500年前の巨匠たちの想像力を目の当たりで観れる貴重な展覧会であった。現代の日時計が逆さ周りをし、まるで16世紀の希望、夢のなかの塔にいるようだった。  

       ゆれる ゆれる

   ゆれる ゆれる
   藻がゆらゆら水面でゆれる
   波がゆれる
   そして、
   わたしはこの街で
   あなたはあの街でゆれる

   二人が同じ池を見つめ
   同じものに近づく
   ゆれる何かを積み重ね
   同じものを捨て去る
   一瞬の夢の泡立ちに
   心が充たされ
   うれし涙に、ゆれる
   ゆれる ゆれる
   陽光が水面に沈むまでゆれる

  
170603_上野公園_02_s.jpg国立西洋美術館
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美樹館の庭園アート(ロダン)
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東京祭・フイリピン
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「自由な女神」
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完結する関係性・成田麻美子
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Inner Memory・加藤祐一
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とびたさ・城山みなみ
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東京国立博物館

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東京国立博物館の庭園の池
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東京国立博物館内の銅像「文官」
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東京都立美術館
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上野動物園・パンダ・リーリー
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シンシン(2014年03月31日撮影。
6月12日「シンシン」が無事出産・5年ぶりの赤ちゃん誕生。
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公園レストラン
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みどりのリズム
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posted by 森 すえ at 05:20| Comment(11) | お出かけ・旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月15日

関東周辺をぐるり散策・代々木公園のバラ


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代々木公園へバラを観に出かける。途中、渋谷公園通りに差し掛かると、アートの花壇が目につく。いくつかの名がついた造園が、限りなくやさしく、美しい通りに思え、グッドアイデア!と感嘆!さらに足を進めると、NHK前広場で「アースデー・マーケット」が開催中。よく見かける催しだが、さてアースデーってなんだろう?


アースデイとは地球環境について考える日として提案された記念日。アメリカ合衆国上院議員であったゲイロード・ネルソンが、1970422日に環境問題についての討論集会を開催し、これに2000万人以上の人々が呼応する。ネルソンは、アメリカ合衆国内の活動の統括役としてスタンフォード大学院生のデニス・ヘイズを選出。以後、ヘイズはネルソン構想の集会を成功させていく。


その後、422日のアースデイ集会という運動形態は全世界へ広まる。アメリカでは、この行動により、環境問題に対して人々の関心が払われるようになり、環境保護庁の設置や各種環境保護法が整備されたが、日本においては、1990年から、毎年4月を中心にアースデイに関連する催しや取り組みが、様々な解釈や形態のもと継続的に行われている。


今回、代々木公園のアースデーには、野菜、衣料、食べ物など環境にやさしい商品の展示・販売がされていた。私はスペインのリオ産のワイン(2200円)を購入し、その夜、おりしも上京してきた息子とワインで乾杯!!まろやかで牧歌的な香りがした。同じ広場でラオス展も開催中。お国自慢の食べ物の煙が風に揺れ空へと・・・。


代々木公園の渋谷門に立つと、すぐそばでバラの微笑みが見えた。約50品種、700株のバラが咲く代々木公園のバラ園は、規模こそ小さいが、ツルバラやランドケープなどメインにした可憐なバラ園である。うぉぉ〜きれい〜と心躍らせ右往左往。それぞれのバラに風情があり、光によって移ろう美の光景に目を奪われる。思えば、四季の顔を携え微笑みかける代々木公園に、私はいつも微笑みを返し、季節のイメージへもぐりこむ。今、バラが、目の前から背後から、ごらん、バラの舞踏をと語りかける姿にニッコリ。


まさにバラの季節。色彩が響きあい、猛烈に燃える優雅な世界。バラは人を幸せにさせる力がある。色彩の美しい花びらと緑の葉が、触れ合いながら美を織り成す光景はまさに夢の楽園。スマホを手にポケモンに夢中の人とすれ違いながら奥地の花壇へ。うおぉぉ〜春、夏の花が咲いているよ!公園には木々がいっぱい、オゾンがいっぱい。中央付近には噴水広場があり、今日も多くの人々が楽器パフォーマンスで自己アッピール。それぞれの人々が青春のこころを楽しんでいるって感じ。そう、代々木公園で・・・。


        バラ千本

   バラ園にバラ千本

   香りの花、ここに咲く

   淡いピンクに白、赤、黄色

   強い香り、まぶしい太陽が

   バラの花びらに混ざり合う

   ああ、ロマンスの花、バラよ!

   花の微笑み、追憶の微笑み

   今、私の胸で赤く咲き・・・

   驚きの果てに微笑みを浮かべる


170528_代々木公園_001_s.jpg渋谷公園通りの造園
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アースディ
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スペイン産のワインでニッコリ
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ラオス展会場
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代々木公園
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2017年06月09日

オレゴンへの旅(その4)ワシントン州へ


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海辺の家に戻ってきた後、午前は小雨が降ったりやんだり、午後から夕刻に掛けて晴れ間が広がるパターンだった。そこで昼前から出かけることが多く、ある日の昼前、アストリアへ向かった。コロンビア川の河口からウオーキングするためだったが、まず、タイ料理を楽しんだ後、太平洋とコロンビア川が複雑に入り混じる河口の港風景を眺めながら歩きだした。


穏やかな港の水鏡に微笑みながらしばらく歩いた後、川に沿った砂丘へと進んだ。湿った岩に垂れ下がる葉に伝わりしたたり落ちる滴、湿った砂に陽が射す光景、なんと美しいこと!緑の葉が絡む透き通る午後、微風がほほをなで、やわらかな光が皮膚をなでる。視界の良い風景にも起伏があり、次つぎに現れる草木の香りにも変化がある。そんなわずかな違いにも気づくほど、温暖な風景地帯である。道は埠頭へと向かって続くが、所々に小さな水たまりがあり、ストレートにウオークできない。ジクザクしながら砂丘の中央へ向かって漂うなか、ふと、足元に目をやると、動物の足跡が点々とついている。ドキッ!鹿?熊?さもなければコヨーテ?う〜ん、何だろう?ふと、私は昨日描いた虎の絵を思い出す。まさか!


埠頭に到着。やれやれと一呼吸。しかし、そこがゴールではない。再び砂の丘を暗中模索しながら進むと、ついにコロンビア川沿いの道への分岐点にたどり着く。これで安心と、先ほどまで、とぼとぼ歩いていた私は急に活気づき、さあ、行こう〜と先頭で歩きだした。川向こうに目を向けると、アストリアからワシントン州へ渡る橋が見える。なんと長い橋なんだろう。娘は56キロはあるよ、明日、あの橋を渡ってワシントン州へ行こうと言った。ブラボ!!


翌日、アストリアから橋を渡りワシントン州へと向かった。途中、ブラックレイクで一休み。湖面に浮かぶ蓮の花と暗い底に映る青空を、まるで未知のものであるかのように、魚が飛び跳ねるたびに水面が揺れ幾重にも波紋を描くさまに見とれた。レストランでサンドイッチを。なかなか洒落たレストランで、アンチックな装飾品が置かれている。私は1950年代のニューヨーク産の帽子と布製の鞄を買った。どちらも古きロマンの香りがする夢の品々だった。


ケープ・ディサポイント州立公園へと車は進んだ。そこには「がっかり岬」がある。英語で「Cape Disappointment」と呼ばれるが、「喜望峰」ならぬ「がっかり岬(絶望岬)」とはなんとも残念な響きがする岬である。こんな名前が付けられるきっかけが起きたのは、1788年のこと。あるイギリス人冒険家ジョン・ミアーズが、コロンビア川探索航海のためこの岬沖を訪れた時、あと一歩というところで嵐に遭い、不運にも河口を見落としてしまったことから。結局その4年後に別の人物により河口は発見されたが、あともう少しで第一発見者になれたのにと、ミアーズさんの「がっかり」はそれは大きかったとか。こんな歴史的事実から「がっかり岬」と名付けられた。「がっかり岬」の展望台から「ノース・ヘッド灯台」へと回ったが、ありし日の灯台の姿へと修復中だった。

ケープ・ディサポイント州立公園には、「ルイス・アンド・クラーク展示館」もあり、コロンビア川と太平洋の合流点を見渡す崖の上にあった。1803年から1806年の間にミズーリ州セントルイスから太平洋岸まで大陸横断を行ったルイスとクラーク探検隊についての展示や、その他、この地域の灯台、米国沿岸警備隊、軍事活動、海域や自然史を含む公園の歴史について展示されていた。


展示館から丘下りをはじめた。30分ほどの道のりだったが、海を眺めながらのウオークは快適であった。その後、コロンビア川河口にあるイルワコ港へ回った。週末などには魚の露天商で大賑わいをするが、その日は静かな港町であった。それでもユーモアな看板に潮風が吹き付ける光景には港町独特の香りと雰囲気が漂っていた。


アストリアへと戻り、夕食は中華料理。この料理もあの料理もおいしいねと、滞在中、外食を幾たびか楽しんだが、やはり一番おいしい料理は娘の家庭料理だった。アートチョークもピザも美味しかった。いよいよ明日は帰国。今回の旅の第一目的は孫の大学卒業式に出席すること。その後はゆったりとくつろごう〜と、海岸を散策したり、真っ赤な夕陽を眺めたり、イラストを描いたりとリラックスの毎日であった。後日、思いでのなかから、新しい希望、夢となって未来へ解き放す何かが生れるかもしれない・・・。


翌朝、ポートランド空港でお別れをした。近いうちの再会に期待し、私たちは機上の人へ。ありがとう!ありがとう!輝く花とつぼみの夏花を、心をこめてお贈りします。


          長い橋を渡り車は走る

     花が咲く草原

     それ、花が、花が、咲いている

     驚き、感嘆する人の目の輝き

     自然を間じかに見ながら

     何かの声を聞く

     そう、それは山の木霊

     奥深い氷河の谷に反響し

     澄んだ声は海へと

    人々の歓びの叫びに応えながら
     私たちの道を、方向へと

     響きは流れゆく・・・・

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タイレストラン
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コロンビア川河口
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遠景にアストリア〜ワシントン州へ渡る橋
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ワシントン州・ブラックレイク
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ケープ・ディサポイント州立公園
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がっかり岬展望台
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ノース・ヘッド灯台
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修復中のノース・ヘッド灯台
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ルイス・アンド・クラーク展示館の展望台から
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鵜の山
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ルイス・アンド・クラーク展示館の展示
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イルワコ港
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家の前の散策路
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posted by 森 すえ at 15:20| Comment(10) | お出かけ・旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

オレゴンへの旅(その3)セーラムへ


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今回のオレゴン滞在中、長旅の計画はなかったが、ただセーラムには二泊三日の旅を楽しんだ。セーラムは1851年にオレゴン州の準州都となった後、1857年に市として法人化された。アメリカ合衆国オレゴン州の州都で、同州マリオン郡の郡庁所在地である。ウィラメット渓谷の中心にあり、市の中心をウィラメット川が流れる。おりしもシャクナゲ満開期の美しい都市であった。

200871日時点でのセーラムの推定人口は154,510人。ポートランド、ユージーンに続く州内第3位の人口規模を構える市で、マリオン郡とポーク郡に及ぶセイラム都市圏の中核都市。市内にはウィラメット大学、コーバン・カレッジ、チェメケタ・コミュニティ・カレッジがメインキャンパスを構え、その他、チェマワ・インディアン・スクール、オレゴン盲学校、オレゴン聾学校なども。この町にはすでに何度か訪れているのでとてもリラックスできる。アンティックの時計にアクセサリー、洋服の買い物などを楽しんだ後、タイ料理で夕食の至福時を過ごした。

今回、セーラムに来たのは孫の大学卒業式に出席するためであった。式の前日、コンサートホールで開催される音楽会にも出席をし、孫のフルート演奏に耳を傾けた。題名は「穂波」。名前の通り稲穂が風に揺れる情景をイメージした曲だが、もとは尺八の曲である。これをフルート
で演奏する孫の姿がまぶしかった。東洋の響がコンサートホールに響き、呼応する観客の吐息が熱かった。なんという独創的で神秘的な音色なんだろう!!彼の息吹を間近に感じながら、もはや私の感性を高く超え彼方へといったような・・・一抹の寂しさを覚えつつも、11年間にわたりフルートを習い演奏を続けてきた彼を誇らしくも思った。


式当日の午前、彼のアート作品を観に美術館へ行った。「二つの異文化を結ぶ」と題されたオブジェのユニーク性にちょっぴり驚きながら、うぉぉ〜なかなかいいね!!と喝采。アメリカと日本文化を表す布をつなぎ合わせ、異文化の結合を表現する独創的な作品で、観る人も端切れの布を紐に結んで異文化の世界観に参加していく・・・。デザイン織物を組み合わせたアイデア作品には英文で次のように紹介されていた。

          −−−−−−−−−−−−−−−

「ウィラメット大学にはユニークなキャンパスがあり、多くの日本人学生が在住し、アメリカ研修プログラム(ASP, American Studies Program) )を通じてウィラメット大学生と一緒に勉強しています。私はウィラメット大学とASPコミュニティとの関わりを通して、アメリカと日本の文化の出会いがぶつかった時に起こるスリリングなことを体験しました。

この作品は、アメリカ人と日本人のデザイン織物を組み合わせて柔らかい彫刻を作ることで、楽しい、そして時には予測できない事を調べます。観客の方を臨場感あふれる作品の中に座るようにと招き入れると、観客はアメリカと日本の文化の接点を体験できます。


布地を縛る
(しばる)とう行為は、人と神とを結びつけると信じられている日本の神社での占いに部分的に影響されています。日本では「むすぶ」という言葉は物理的につながることを意味しますが、他の存在との関係をつくるということも意味します。この作品では人々は他の参加者と結びついています。観客の方が布切れを既に付いている布切れに結び付けると、それらは象徴的に、又物理的に二つの異なる文化をつなぐことになります。


靴を脱ぎ、畳に座るのは日本式ですが、マットの縁は日本で販売されている伝統的な畳には見られない西洋のデザインです。このように細かいところで文化が交錯していることがこの作品には見られます。この作品は、文化があらゆる方向から人に影響を与えたと同様に、すべての側から観客を囲むように設計されています。」

            −−−−−−−−−−−−−

私は早速、靴を脱ぎ、臨場感あふれる作品の中に座り、異なる文化を布を結んでつなぎ、アメリカと日本の文化の接点を体験してみた。美術の教師、学生、父兄の皆さんと共に布を結びつけることで異文化の交流が生まれ、新しくも親しみある風が流れたのが嬉しかった。

美術館を後にし、レセプション会場へと向かった。おやや、ご馳走がずら〜りと並んでいる〜!!あれこれと目をぐるぐる回しながら好みの料理をおいしくいただく。ああ〜満足!その後、卒業式の会場へと向かった。4年間、長き歴史をもつ伝統ある学舎で学べたことは本当に良かったと思った。これからの日々は彼自身で切り開き、開拓していかねばならない。一人になり、偉大な遠方をいっぱい担いながら、一歩一歩と歩んでいかねばならないね。


時が向きを変えるたびごとに、思いでいっぱい、別れもいっぱい、楽しい嬉しい、哀しい、苦しいこともいっぱい味わったことだろう。卒業祝賀パーチィをしょうとイタリアンレストランに行ったが満員御礼。この日のめぼしいレストランはどこも思い出を抱える人たちでいっぱいだった。それではインド料理で乾杯!!

翌日、二台の車はヒボ海岸沿いを走って戻っていった。白く波打つ白浜、海は青き 空も青き、心も蒼く、青と白の世界がいっぱいに広がる。私は車中から青と白色の狭間をじっと眺めていた。


    時の連なり

         時が音もなく天から降り

         過去の宝となって積もっている

         時代が去っても

         時の命は密かに潜伏し

         燃え続け

         今、時の連なりの前に輝く

         喜びにあふれ

         悲しみにふさがり

         そんな繰り返しの長い年月ですら

         時空の一瞬

         時の無言の長さに比べ

        人の命は短き断片なれど

        魂が空気に触れ

        光に迎えられ

        今、時の連なりが響きあう


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170513_オレゴン旅行_552_s.jpgセーラム
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街中を延々と走る貨物列車
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コンサートホールでのフルート演奏
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美術館

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アート作品(二つの異文化を結ぶ)
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美術館
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レセプション会場
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卒業式
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大学の卒業式

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タイレストランで
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バーガーレストラン
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posted by 森 すえ at 08:25| Comment(16) | お出かけ・旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする