2013年05月25日

アメリカ西部を巡る旅(その17)ヨセミテ国立公園〜サンフランシスコへ

 

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 「ヨセミテ」の名は、先住民の「ヨヒミテ」もしくは「ウズマテ」と、言葉が変化してついたそう。樹林を歩くと、倒れた木が放置されたままであるのに気づく。それと言うのも、国立公園内は、自然のままの状態であるのを旨とし、人の手を加えない規則があるから。倒れたら倒れたまま。火事で焼きただれて黒くなった木もそのまま、根幹に虫がはいり腐っているのもある。倒木のジャイアント・セコイアに近づくと、巨木の割には根が浅く4m程。枯れた根は、ぐにゃぐにゃと絡み合いまるでドライフラワーみたい。あぁ、木の命は尽きたのか?!と、周りをみると、なんと、ちゃんとセコイアの子どもが育っている。ああ、お前さんが子どもかい?!何百年・何千年と生きる巨樹に育ってほしいなぁ・・・

 樹齢2000年以上の木となれば、永遠とも思えるような時間の流れのなかで、それぞれの木は何を思い、何を見続けてきたのだろう〜。何百年前は木勢があったとしても、やがて倒れ、色あせて土に還る・・・、輪廻転生って言葉もあるが、一時的に木は滅びても、木魂(こだま)は消えることはなく永遠に続いていく。そう、生と死が響きあってる雰囲気のセコイア林だが、19世紀に、車が通れるようにと、根元に穴があけられた「トンネルツリー(Tunnel Tree)」を見かけると切なくなるが、それでも凛と生きている姿に感動すら覚える。

 マリポサグローブにやってきて、木々の大きさを自分の目で確かめられた。が、木の大きさを言葉で表すのは難しい。だって、樹齢何百年の樹木の高いこと!首も疲れるが、目もクルクル回る。できることなら、感覚の翼に乗って空から眺めたい。きっとヨセミテの巨木がひとつの輪のなかで、輝いているに違いない。
さあ、ホテルへ行こう〜。今夜の宿泊はヨセミテ近郊にあるオークハースト。夕食はアメリカ風味の日本料理&ワイン。乾杯!!

 翌日、再びヨセミテ公園へ行き、主な見所を回ることに。トンネルを通過すると、トンネル・ビュー ポイント(Tunnel View)に着く。名前の通り、トンネルの入口そばにあるポイントで別名ディスカバリーポイントとも。ヨセミテを訪れた人は必ず立ち寄る所で、ヨセミテ渓谷が一望できる絶景地。人工物が一切見えず、道路すらも見えないように配慮されている。左手にエルキャピタン、右手にブライダルベール滝、その向こうにはハーフドームと、誰が撮っても写真になる絶景だが、う〜ん、早朝の逆光で撮影が難しい。幻のなかで写すって感じで、歯切れの悪いシャッター音が小さく響く・・・。まあ、後でも同じ風景が見れるので、その時、再挑戦!

 ヨセミテバレー入口に着くと、エルキャピタン(2116m)が間近に迫る。花崗岩としては世界最大の一枚岩で、谷底から1095mの高さに垂直に立つ姿は迫力満点。再びバスの車窓から風景を楽しむ。暗闇は消え去り、風景画かなり鮮明に見え出す。先ず、ブライダルヴェール滝。この滝の名は、流れ落ちる水が風になびき、まるで花嫁のベールのようだからと。確かにヴェールのような柔らかさと美しさはあるが、欲を言えば、水量がもう少しあると、より名が生きるかも。次に、巨大な岩壁「ハーフドーム」。標高2700m。円いドームを縦に半分にスパッと切ったよう。名のとおり。ヨセミテのシンボル的存在で、どこから見ても気品ある。

 このように、ヨセミテナショナルパークの主な観光スポットは、ヨセミテバレーとその周辺に集中。ヨセミテバレーはマーセド川に沿って延びる谷で、その中心となるのがヨセミテビレッジ。ここに来れば何でも用が足せ、情報を得る事が出来る。
 バレー内に無料のシャトルバスが運行されている。さあ、シャトルバスで、グレーシャーポイントへ移動しょう。センチネルロック、センチネル滝、マーセド川、エルキャピタン、キャセドラルロック、プライダルヴェイル滝、カスーケード滝などを見ながら、グレーシャーポイントロードを登る。

 おお、素晴らしい絶景!!グレーシャーポイントから、ハーフドーム、エル・キャピタン、テナヤ渓谷、バーナル滝、ネバダ滝に、ヨセミテ滝など、ここからでしか見れない雄大な景色が広がっている。ああ、40分かけてやってきてよかった!!

 うっとりとして、さまざまな光景の姿を堪能した後、 昼食。ヨセミテ滝を散策。滝の水は豪快に、アッパー(上部の滝 436m)と、カスケード(206m)と、ロウアー(下部の滝 96m)をあわせた約740mの落差があり、北米では一番高い滝。たくさんのしぶきを浴びながら、滝奥の光景を描く・・・雪解け水、断崖で勢いつけ、ひたむきに音を響かせ、岩肌を下っていく。滝を眺める人は歌い、しぶきを上げる水は笑う、どちらを見ても、私はさわやかに癒され、喜びに微笑む・・・水は軽やかに私の視野から流れ去っても、目の奥で輝き続ける・・・ 

 観光後、いよいよ帰国の途へ。140号線を西へ走り、国立公園西ゲートを通過。マーセド川を見ながら、マリポサの町を通過し草原地帯に入る。アルタモンテの丘には、たくさんの風車が立ち並ぶ。やがて、オークランドから、2階建てのベイブリッジを通過。右にゴールデンベートブリッジ、アルカトラズ島を見ながらいよいよ終着の大地会・サンフランシスコヘ・・・。旅の総走行距離:5216、9km。お疲れさま〜。楽しかったね!!

 サンフランシスコは、文化も自然も多彩な北カリフォルニアの中心。訪ねたことがない私でも、急坂や深い霧に覆われるこの街の情景などが思い浮かぶ〜。気候は地中海性気候。一年中気温の差があまりなく、気候的にも住みやすそう〜。そうそんな印象的なサンフランシスコにご縁があればゆっくり訪れたいもの。翌朝、サンフランシスコ空港国際線ターミナルから、ユナイテッド航空837便が飛び立つ・・・to Japan。

 

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 写真1〜「トンネル・ビュー ポイント」
  2 「エル・キャピタン」
  3〜4「ヨセミテバレー周辺」
  5「マーセド川」
  6「ハーフドームが見えるグレーシャーポイント」
  7〜8「ウォッシュバーン・ポイント」
  9「ネバタ滝」
  10「バーナル滝」
  11「フォーマルポイント」
  12「テナヤ渓谷」
  13「グレーシャーポイント展望台」
  14〜16「ヨセミテ滝」
  17「ヨセミテ滝ヲ撮影する観光客」
  21「アルタモンテの丘・風力発電」
  22〜25「サンフランシスコ風景」

         (17回にわたるアメリカ編も終了となりました。
          長い間お付き合いくださってありがとうございました。
         次の旅紀行の予定はドイツですが、更新は未定です。
         それまで時おり富士山麓の写真を載せていきたく
          思っていますのでよろしくお願いたします)
  

posted by 森 すえ at 02:29| Comment(18) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月14日

アメリカ西部を巡る旅(その16)ヨセミテ国立公園へ

 

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 翌朝、朝日を撮りにでかける。と、言っても行き先はホテル前の荒地。枝葉は好き勝手に伸び放題で始末に負えないし、低木にはトゲがあり近づけない。う〜い、こりゃ,何処から眺めたらいいものや?しばらくうろつき、まあ、すたれた荒野でも、それなりに面白いかと足場を踏みかため、ふと、後ろを振り返ると、山が、山が朝日に染まりかけている・・・、待て、その輝き、今、向こうから陽が昇るのだから・・・

 朝食後、ファーニス・クリーク・ランチを出発。一路、ヨセミテ公園へと向かうも、しばらくすると途中下車。現地を熟知するガイドさんだから道草を快くサービス。ありがたい。先ず、デスバレー公園内のメスキート・サンド・デューン(砂丘)に降り立ち、植物の不思議に迫る。実はデスバレー公園には5つの砂丘があるが、ほとんど生物が育たないらしいが、この砂丘にはメスキートの木が生えている。砂模様の砂丘をよく見ると、砂の斜面に寄り添うように動物の足跡がちょぼちょぼと続いている。はて? さそりか、とかげか、ヘビか?・・・灼熱の砂丘に生きる動物が、顔を出し、生を誇示しているようで、逞しい、実に逞しい生命力!
      
 いよいよデスバレー公園ともお別れし、136号線をひた走る。私の座席は一番前。おお、絶景!!今日はアメリカのロードを楽しもう〜。車窓から塩田の光景を眺めるうちに、ローン・パインの町のビジターセンターに到着。遠景にマウントホイットニューが、すっきりとした姿を見せている。センターに入ると、係員が、周囲の山の説明をしているが、日本語やスペイン語が混ざるので可笑しい。しばし、スペイン語で談笑。長い旅の途上に、こういうあたたかい現地の人とのふれあいは、実に嬉しい。そう、旅中、失いたくないひと時!

 バスが発車。しばらくすると、ガイドさんが急に、「あれは、日本人強制収容所のマンザナ」と言われたので、あわててカメラを構えるが被写体ぶれ。う〜ん、でも、かろうじて建物やシェラネバダ山脈も写っているので、貴重な1枚に小躍り。現在、強制収容所には、バラックなどの建物は残っておらず、広大な敷地に、博物館と復元された収容所の建物のみ。ああ、あの建物が過去のすべてを告げているんだなぁ〜。

 説明によると、収容所マンザナは、カルフォルニアの北に位置し、西側は2000〜4000メートル級の山脈で囲まれた荒地の中にあるが、当時マンザナには1万人といわれる日本人、日系人が、財産もすべて没収され強制的につれてこられた。夏は50度の酷暑、冬は極寒の砂漠気候、砂嵐と過酷な土地での暮らしは、想像をはるかに超える悲惨さだった。現在、収容所マンザナは、アメリカ国定史跡に指定され保存されているが、当時は有刺鉄線に囲まれたその地区には看守がおり、銃は外に逃げ出す人を狙うため、常に内側を見張っていたそう。

 「日本人強制収容所」となると、橋田寿賀子のドラマ「99年の愛〜JAPANESE AMERICAN〜」を思い出す。2010年に放映された作品だが、あらすじはー、アメリカに渡った日系移民にとって、第二次世界大戦は、過酷な選択で苦しむ闘いであった。家族のため、愛する人のため、戦う相手はアメリカか?それとも日本か?・・・アメリカで生まれ日本を知らずに生きるしかなかった「日系移民2世」の宿命を背負った主人公の「一郎」と、その父。そして、一郎への愛を貫く「しのぶ」。・・・物語は、逆境や苦悩を乗り越え、生き抜いた家族の愛の話である・・・

・・・ドラマを通し、移民のおかれた状況を知るにつれ、日系1世にとって祖国の日本と、日系2世、3世にとって祖国のアメリカが、戦争をするということはどれだけ苦しかったことか。2007年にもやはり移民(ブラジル)をテーマにした人間ドラマ、「ハルとナツ 届かなかった手紙」が放映され、これにもとても感動したが、「99年の愛〜」はそのアメリカ版ともいえる。

 今、こうして旅先の車窓から、シェラネバダ山脈の美しい景色を眺めるが、そこに収容所があったとは・・・。灼熱の太陽に焼かれでもしたのか?平穏な風景の広がりに、かえって歴史の重さを感じる。アメリカ国籍をもつガイドさんが「日本人がアメリカで問題なく暮らせるのは、当時の収容所の人たちの真面目な頑張りがあったから」と。なるほど、そう言う事なんですね!さて、バスは、タイオカバスロード(120号線)に入り、MOBLガソリンスタンドで休憩。アイリスが咲き、コンドルが上空を舞う。さあ、いよいよヨセミテ公園へ・・・。山々、高原、テナヤレイクの美しい風景が見え隠れする公園内を走る・・・

 ヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)は、カリフォルニア州の中東部、シェラネバダ山脈(アメリカ合衆国カリフォルニア州東部を縦貫する山脈)に広がる自然公園で、世界的に最も有名な国立公園のひとつ。4000m 級の山々、1000m の絶壁、巨大な滝、草原、深い森林、美しい小川に世界中の旅行者を魅了する。そう、ヨセミテの魅力は、広大な広さと手つかずの大自然にあるが、観光客が集中するヨセミテ渓谷は全体の1%にも満たない。たとえ、道路、建物、トレイルといった人工物を全て入れても全面積の9 割は全く手つかずの大自然がそのままなんだから・・・ね。私は風のように公園をくぐっていく・・・

・・・ヨセミテは、自然保護を目的とする公園で、公園の面積は3081平方kmで6つの植生帯がある。「低木・オーク林地帯」「低地・低山植生帯」「高地・低山植生帯」「高地・低山植生帯」「亜高山帯」「高山帯」に分かれ、カリフォルニアにある約7000 種の植物のうち、20%以上がこの公園内で見られる。又、 野生動物も多く、ブラックベア、アライグマなどの哺乳類が100 種類以上、鳥類は200 種以上生息していると聞く。

 1984 年に世界遺産に登録されたヨセミテ公園だが、なんとスケールの大きな公園!!このような公園をじっくり1週間ほどかけてハイキングをすると、実に楽しいだろうなぁ〜。そそり立つ白い花こう岩の絶壁、そこを流れ落ちる多くの強大な滝、谷や木々の間を流れる澄んだ大小の川、ジャイアントセコイアの巨木の林など自然の多様性がここに集中する。

 ウオナホテルの隣にバスは止め、シャトルバスに乗り換えマリポサグロープへ。さあ、ジャイアントセコイヤ(アメリカ杉)林を歩こう〜。さすが大自然を抱える公園である。足のサイズもある松ぽっくりに驚く。うぉぉでかい!ヨセミテの青い鳥を眺め、しばし、鳥になったように周りの景色をみやる。世界最大級の巨樹グリズリー・ジャイアントは、樹齢3000年とも4000年とも。あまりの大きさに、「グリズリー(巨大熊)」の異名を授けられたとか。根元の直径が8.7m、周囲29m、高さ62m。生き物の容積では世界最大級とも。ど〜んとしている。10m手前の柵野前に立ち、人間の大きさと比べてみると、その巨大さが伝わる。幹も太く、高さもあり、背比べした人が小人となる。日頃から、太った痩せたと嘆くなんて愚かなことで、ここではどの人もスマートな体型に変身!!そう、樹木から発散されるあたたかいながれに包まれ、おおいなる希望をもって、いきたもの。そう、明るく微笑でもって散策しょう〜。そう、遠い国で見知った風景に溶け込んでいこう〜。

 

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写真1〜4「デスバレー公園内のホテルの夜明け」
  5 「メスキート・サンド・デューン(砂丘)の動物の足跡」
  6〜7「136号線の塩田風景」
  8 「マウントホイットニュー」
  9 「日本人強制収容所のマンザナ」
  10〜11「テナヤレイク&ヨセミテ渓谷」
  12 「トンネルを抜けいよいよヨセミテ内部へ」
  13〜17「ジャイアントセコイヤ(アメリカ杉)、倒木の根っこ、松ぽっくり、年輪」
  18〜19 「巨樹グリズリー・ジャイアント」
  20〜21「穴が開けられた巨樹グリズリー」
  22「バチュラーとスリーグレーセス」
  24〜25「スノー・プラント&野生鹿」

    (次回の更新は5月25日の予定です)

posted by 森 すえ at 07:52| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする