2013年04月16日

アメリカ西部を巡る旅(その15)デスバレー国立公園

 

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 デスバレー国立公園へと向かう車中、再びラスベガスの夜を懐かしく思いおこす・・・。好奇心に燃えながら熱い道を歩いたなぁ〜。おとぎ話めいた赤い舟、透明の噴水の美しさなど、ゆらゆら瞼にちらつき幻想的に蘇る。ああ、火がついた夢を消し去るのは容易ではないけど・・・さあ、次の公園へ。途中、アウトドアーショップ「Red Head」に立ち寄る。動物の剥製が飾ってあり、アーチェリー、登山、釣りの道具、スポーツ用品、バイク、モーターボート、はたまた銃まで、あらゆるアウトドアー製品ガずらり〜。とにかく広い。一通り見るだけでクタクタ。さすが、野外活動の盛んなアメリカ!!なんとこのスケールの大きさ!!

 アメリカの原風景そのままの、荒涼としたロード160号を走り、パランプの「Pahrumo Valley Winery」でワインの香りをかぐ。話によると、全ての味覚を舌が感知するわけではなく、甘味は舌の先、塩味はやや後ろの横側、酸味は両脇、苦味は奥の部分となる。が、最も重要なことは、味の成分が豊富で、複雑で、品があり、香りとのバランスが素晴らしいこと。そう、ワインの味覚を感知するのって難しい〜。私などは、いつも自分の味覚にあうワインで十分楽しんでいるので世話はないが、ここはワイン生産地、たまには美味しい極上ワインで乾杯!

 デスバレー国立公園近づいてくる・・・。先ず、公園手前の砂漠を少し歩いて植物の観察へ。一面、砂の海。だが足元をよく見れば、あちこちに草木が生え、サボテンも枯れ木のそばで生きながらえている。多分、洪水があった時、地下に水たまりができ、湿っぽい朽葉も生まれたのかもしれない。が、大古からの息吹きを、絶やさないように耐える強靭な生命力に驚く。

 デスバレー国立公園に入場し、バスは「ザブリスキーポイント」でストップ。この名は、ほう砂を採種するために設立された会社の代表者の名前から。展望台へ行くと、何色といっていいのだろう〜!?黄金色の削られたような山肌は、太陽の光や、太陽の位置によっても色も変わり、多彩な表情を見せている。ふと、このような風景を眺め、かって訪れたオレゴン州で私が描いた詩を思い出す・・・。
 「巡り巡って丘の上、不思議な大自然がそこに。草木なき裸の丘に光が当たり、今、光と影で縞模様が揺れる。どうして、摩訶不思議な色合いなの?・・・頭の中で無意味に検索し、解きほぐせないまま去りゆく・・・」

 デスバレーは西半球で最も低い低地で「死の谷」とも。なんとも恐ろしい名前が付いた国立公園だが、この公園は、米国の国立公園の中で最大面積があり、海抜下86mの灼熱砂漠から、標高3368mの高山までと横に縦にと広域に渡る。アメリカで最も暑く、最も乾燥し、最も標高が低い・・・と、「最も」の三拍子がそろった公園となれば、特徴があり面白い。「死の谷」と呼ばれる由来は、1949 年、金鉱を探していたグループがカリフォルニアへ移動中、この地域に迷い込み、数週間さまよった末に、メンバーの一人が酷暑と水不足によって命を落としたことから「死の谷」と。その後20 世紀初頭にかけて、ゴールドラッシュの余波を受け、いくつもの町が生まれては消え、ゴールドラッシュの勢いはなくなった。1994 年、デスバレーは国定公園となっている。

 デスバレーは、長い時間をの下に、複雑な地質が形成されているが、最も古い岩石は、17 億年前に形成された変成岩で、まだ地球上に大陸が誕生する前のもの。温暖な気候下でこの地域が浅瀬だったころ、大量の泥や砂が堆積したが、その後大陸移動のあおりで、堆積した地層は海底から地上へと隆起し、北米大陸と太平洋プレートの摩擦で火山帯が形成され、さらに地殻の東西伸張運動が起こり、現在の様な地形となった。当時この地域にはマンリー湖やパナミント湖など、デスバレーをほぼ埋め尽くすほどの巨大な湖があったが現在は干上がっている。当時の気候は現在よりも涼しく、比較的温暖であり、狩猟の対象となる動物が数多く生息していたが・・・。

 さあ、「バッドウォーター・ベースン」へ行こう〜。ここは、西半球で最も海抜の低い地点で、海抜下86m。見れば、駐車場の近くの岩山に海抜0の標識がある。(写真中央辺りにある赤い矢印の四角の中〉真下の駐車場の高さと比べてもかなりの高低差があり、駐車場とベイスンの底の高低差は約1.5m。さあ、バッドウォーター・ベースン(盆地)を歩いてみよう〜。かつてはバッドウォーター盆地は「塩水湖」であったが、飲料水に適さない事から悪い水(バッドウォーター)と呼ばれ、岩塩が侵食で溶かされ流れ込んだ塩が、バッドウォーター盆地に堆積している。世界で最も気温が高くなる場所のひとつであり、記録は摂氏57℃。見潮の平原を歩きながら、塩を味わうと、やはり塩の味、・・・真っ白い塩水湖の味だった!

 デスバレー公園のもうひとつの見所である「ゴールテン・キャニオン」への入り口に向かうと、すでに何台か車が止めている。はや先客あり〜。うぉぉ、潮の台地とは違い、雰囲気の良さそうな峡谷でホッ!さあ、鉄砲水の侵食によって出来た渓谷の内部へと踏み込もう〜。どんどん歩いていくと、岩がとてつもない迫力で迫ってくる。岩の間を散策し横や斜めの地層を見学。が、ここも又暑く、いやはや参った!灼熱の太陽をさんさんと照り、ゴールテン・キャニオンを抱擁するかのよう〜。地質学の研究に適したトレイルだが、暑い。ガイドさんは、片道800mで折り返すように促していたので、早々ときびすを返したが、荒れ地ばかりのデスバレーの中で、赤い岩肌は、軌跡のような美しさだった!。

 公園の中心部にあるファーニス・クリークビジターセンターに立ち寄り、息を吹き返す。ここでは天然の泉が湧き出ており、治療回復に効能があるらしいから、日射病に利くかも。さあ、今夜のホテルへ急ごう〜。ファーニス・クリーク・ランチに到着。敷地内には、ホウ砂を採っていたころ使用した器具、荷車、機関車などが展示されていたり、郵便局、ゴルフ場、スイミングプールなどのレクリエーション施設もある。居心地もよくリラックスできる。夕食後、沈み行く夕日を追いかけ、ヤシの木の間を行ったりきたり。ロマンチックの追っかけは・・・夜明けの朝日まで続く・・・。そう、荒地でのささやかな幸せを、自分の足場で感じながら・・・

 

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 写真1〜2「アウトドアーショップ」
  3〜4「ワインの店Pahrumo Valley Winery」
  5〜7「デスバレー国立公園の砂漠の植物」
  8〜11「ザブリスキーポイント・11枚目中央に駐車場」
  12 「宇宙人のような岩・・・」
  13「バッドウォーター・ベースン展望台。中央の矢印は標高0地点を示す」
  14〜16「バッドウォーター・ベースン」
  17〜19「ゴールテン・キャニオン」
  20〜「ファーニス・クリーク・ランチのホテル」
  21〜23「ホテル敷地にあるホウ砂を運ぶ機関車」
  24〜25デスバレーの夕陽(ホテル敷地内から)」
  

      (次回の更新は5月14日火曜日の予定です}

posted by 森 すえ at 05:42| Comment(14) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月06日

アメリカ西部を巡る旅(その14)ラスベガスの夜

 

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夕刻、ラスベガス(LasVegas)に到着!なんと気温が27℃。暑さをひしひし感じ、街の華やかでこれまた気分も熱い。そう、すべての熱気を吸い込むって感じ。今夜のホテルは「サーカスサーカス」。家族向けのホテルのよう。室内遊園地や無料のサーカスもあるので、カジノやショーにお金をかけて楽しむのであれば、ホテル内で十分かと、しばし思案。だが、街の雰囲気も見てみたい。カメラを抱え、新たな大きい渦の中へ流されるように、歩き出す。・・・紫色の夕闇は、次第に薄暗い宵闇へ、そして真っ赤な夜へと移ろう・・・

 「ニューヨーク・ニューヨーク」のホテルへ行くと、ニューヨークの喧騒とラスベガスの醍醐味が味わえそうだが、私は、「ベラージオの噴水ショー」を見に行くことに。人にもまれながらメイン通りを、夢見心地で歩いていくと、ベニスの町並みを真似した水路があったり、ゴンドの舟漕ぎが、ベニスの民謡を歌っているのを見かける。そう、このホテルはイタリアの風物詩の再現のよう〜。次はフランスの巻でエッフェル塔が登場。エッフェル塔のオリジナル設計図を基に建てられた二分の一のレプリカは、パリスホテルのシンボル。さあ、道路の反対側の「ベラージオの噴水ショー」を見に行こう〜と、信号を渡り近づく・・・ 

 べラージオの噴水ショーが始まる。泉の端から、押し寄せるように、つつつっと伸びてきた水が、高く舞い上がり、くるくる園を描くように踊りだす。いや、マジすごい!!こんな大がかりな噴水ショーを見るのは初めてなので、瞬間々々に目を凝らす。まさに圧巻。うぉぉ、外国人の感動の声がすごい。あれれ、私も外国人だっけ。そう、大掛かりな水のパフォーマンスだから、水と音楽と照明が織り成す共演に誰もが目を奪われてしまう。この噴水ショーでは、オペラ、クラシック、ポップなど多彩な音楽に合わせて、華麗な水の舞いを披露するが、その時の曲は「タイムトゥセイグッバイ」。うぅぅ〜、もうたまらない!!

 色んな手工を凝らして夜のムードを盛り上げるホテル内。見れば、カジノ、スロット、ブラックジャック、テーブルゲームなど色々と楽しめそうだが・・・先ずゲームなどで練習したほうがよさそう。だが、ある程度の資金とコツ、それに運も大切な要素らしく、サーカスサーカスでスロットをしてみたけど・・・、素人には勝負どころがわからない。映画「ラスベガスをぶっつぶせ」で見かけるようにはいかない。プレイする彼らの連係と緊張感に目を奪われるが、 このストーリーはー、

19990年代、ハーバード大学の医学部から、進学許可を受けたベンの前に、高額の学費という壁が立ちはだかる。頼みの奨学金の門も狭く、可能性はい。そんなある日、マサチューセッツ工科大学の教授に誘われ、ブラックジャックのチームに加わる。ここでカードゲームの必勝法を学び、ラスベガスで学費を稼ぎだす。」・・・こんな内容だったが、全米の興行収入チャートで2週連続のNo.1となり、8000万ドル(約83億円)を超え、稼ぎ高も桁外れ。まあ、 ラスベガスのギャンブルの背景がわかり、楽しめる映画だった。

 ラスベガスは砂漠の中の 「不夜城」 といわれているが、歴史はそれほど古くない。市制を敷いたのは1905 年、ネバダ州がギャンブルを合法化したのは 1931 年のこと。発展のきっかけはフーバーダムの建設だが、完成直後の 1930 年代後半においても、特にめざましい発展が見られなく、第二次世界大戦が終了するまで、人口は2万人にも満たなかった。(ちなみに 2008 年の周辺都市も含めたラスベガスの人口は 200 万人を超えている)

 そんな小さな町のラスベガスが、本格的に発展したのは、カジノホテルが次々とオープンした 50 年代からのことで、またたくまに世界を代表するエンターテインメントシティーへと変わる。その原動力となったのがハリウッドスターや芸能関係者らで、エルビスプレスリー、フランクシナトラなどが、この街のビジネスモデルとなり、世界中から観光客を集めることに成功する。しかしながら、ショービジネスだけでこの街が発展してきたのではなく、カジノが繁栄を支えてきたのだが・・・結果、ギャンブル というイメージが強かった。それを大きく変えたのが 90 年代に誕生したテーマパーク型巨大ホテル群で、ギャンブルの街から、家族ぐるみで楽しめる総合エンターテインメントシティーへと、イメージが変わった。だが・・・

 2000 年以降は、商売が成り立たないと、子供向けアトラクション施設が縮小されたり、閉鎖に追い込まれ、代わりに、ナイトクラブ、高級ショッピングモール、高級レストラン、高層コンドミニアムなどが増え、大人向けの高級総合アミューズメントシティーを目指す方向へと。
 一方、ラスベガスはコンベンション都市としての側面もあり、90 年代以降のホテルの建設ラッシュにともなう宿泊施設の急増が、コンベンションの誘致に拍車をかけ、イベント数、参加人数においても、世界一のコンベンション都市となる。このように巨大施設、さらには各ホテル内にある大型ボールルームなど、拡大の勢いはとどまるところを知らなかった・・・が「リーマンショック」が世界的金融危機の引き金となり、経営破綻や株価暴落などで、にっちもさっちも行かなくなったのか?建設中が中断されたままの建物をあちこちで見かけた・・・。ああ〜、それが現実だったか!

 深夜、窓辺からラスベガスの街を見渡すと赤々と輝いている。「不夜城」と言われるのも納得、納得。見事な遠景のように、今、私がかって見た外国の裏側のごとく、華麗に巨大な内部が旅人を取り巻いている。やっぱり面白い町だなぁ!
 一夜の眩しい夢を見た翌朝、ラスベガスを離れ、西へ西へと進み「デスバレー公園」へと向かっう・・・

 

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写真1〜20枚「ラスベガスの夜の光景
   13〜14「ベラージオホテル内とベラージオホテル」
   15〜20「ベラージオの噴水」 

       (次回は4月16日火曜日の予定です)
           

posted by 森 すえ at 16:57| Comment(20) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする