2013年03月13日

アメリカ西部を巡る旅(その13)ザイオン国立公園

 

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 ザイオン国立公園へとやってくる。この国立公園は1918年に誕生したが、年間250万人の観光客が訪れる程、魅力ある公園で、ザイオン名の由来は、最初にザイオンに入ってきたモルモン教徒が、この山を見たとき、聖なる山だと確信し、ザイオン(聖なる山)と名づけられたそうである。 ザイオン公園は、ユタ州に位置し、593平方kmの広大さを誇るが、特徴は、長さ24km、深さ800mのスケールの大きいザイオン渓谷に見られる。渓谷はコロラド川支流のノース・フォーク・ヴァージン川により、赤く焼けたナバホ・サンドストーン(砂岩)が侵食されたものだが、ザイオンの大自然は、巨岩郡だけではなく、270種類以上の野鳥、オグロシカ、ゴールデン・イーグル、アメリカ・ライオンなどの動物の生息地でもある。
 
 さあGO-。ザイオン国立公園東口から入場すると、風もない青空の下、森、岩山、川の流れなどの光景が、きめ細やかに折り重なって、なんと素晴らしい!!と溜息もでるが、昨日今日にできた景観ではない。長い時間の経過後に創りだされた自然の姿だから見ごたえ十分。先ず、ゆっくり向きを変えて、「チェッカーボードメサ」という岩山を眺めると、なるほど・・・名のとおり、チェッカーボード(碁盤の目)のようにえぐられている。もともと地層が幾重にも折り重なり、溝が横に走っていたところに、雨水が岩を垂直方向に削っていったため、ユニークな模様となったのだが、この周辺には、このメサ(小高い山)を含め、切り立った赤い岩山が聳え立つ。そう、起伏に富んだ岩山だらけだが、川が近いからか、樹木の葉が鮮やかで深い色。今まで、見渡す限りの乾燥したキャニオンンを見てきたので、緑に覆われ黙って立っている木々には、目に優しい光景として癒される・・・。

 バスはザイオン・マウント・カーメル・ハイウェイを走り、ザイオン・キャニオンセクションへ向かう。そこはザイオン観光の中心地で、ビジターセンターやロッジがあり、道沿いから様々な岩山を見ることができるので楽しみ!バスは岩壁を縫うように坂道を上がり、トンネルの入り口に到着。ここでバスがストップ??何故?
実は1927年に工事が開始し、1930年に完成したトンネルだが、通過は交互通行で、最終車にバトンを渡して確認するそう〜。係員は、「この白い棒を向こうで渡して」と頼むのかな? 私たちのバスは7分ほど待機した後、通行可能となり、薄暗とも興味深いトンネル内へと・・・すっすっす〜〜

 電燈がないため、明かりとりの穴が開けられている。穴に近づいたとき、急いで外を見つめると、瞬時、巨岩郡の一部が見えるって感じ。次の穴にも目を凝らす・・・、次から次へと岩の色や形が 大きく変わるのが面白い。トンネルを抜けると360度の大パノラマが広がる・・・、うぉぉ、ザイオン物語の始まり、始まり。

 眺むればザイオンは、大陸隆起活動の時代から川が削り出した典型的な渓谷で、土の色を見ると岩層の違いがはっきりと解る。 足元がチョコレート層、その上のちょっと赤くなったところがバーミリオン層(約2億年前)、その上の白の層(約1億年前)は、砂漠地帯の砂浜が固まって出来た層と重なっている。ザイオン渓谷は、ヴァージン川による侵食によって出来たものだが、奥地になるほど幅が狭くなり・・・、両側を岩の断崖に挟まれた最も狭いところで2m程。まるで神聖な裏側のような層の空間・・・

 それは、コロラド台地が気象条件の激しい地域で、気温差が激しく雨はほとんど降らないこともあり、1年365日中300日は晴れている。が、雨が降る時は雷を伴い一時的に激しく降るため、鉄砲水となり狭い渓谷を削って行く・・・。 雨が降ると固い岩にあたった水は、はじき飛ばされ柔らかい層、窪んだ所に流れて行き、まるでシャワーを浴びた時の様。1千5百万年を経た今、柔らかい岩質はほとんど残っていないが、雨水が鉄砲水となり、何人もの犠牲者がでたことも。そう、雨が降ると渓谷の状態が一変する。

 ヒューマン・ヒストリー・ミュージアムで下車。大きな息をひとつ残し歩き出す。先ず、遠景の「ナチュラル・ブリッジ」を眺める。石の橋が架かっているのはわかるが、回りの赤い岩と同じ色なのでよくわからない。再び目を凝らし、遠くの山に目をやる。あ、あ、あれがブリッジだぁ〜と感激しつつ、いぶかしげ。あれだよね?!
次にウエスタンテンプル、サンダイアル山(2313m)、オルダー・オフ・サクリファイス山(2287m)の三山が、綺麗に並んでいるのを見る。そして、車窓から「司教の宮殿」と呼ばれる三つの巨大な岩峰も・・・、ああ、気高い山の行列みたい〜。

 ザイオンロッジに到着!ザイオン国立公園には、数年前から車で入れないので、バスから降り、そこからシャトルバスで見て回ることに。全米の国立公園では、この様なシステムが一般的で、私たちは2両連結シャトルバスに乗り換える。バス内を見れば、天井にも窓があるので上側も丸見えだから、両側に迫り来る岸壁の頂上部の続きは、はい、天井からって感じ。少し首が疲れるけど見晴らしは満点。終点のテンプロオブシナワバで下車。そこからヴァージン川のそばまで歩くことに・・・。そこにも先住民の命の足跡が残っているかも・・・?

 ルンルン気分で歩き出すと、「グレート・ホワイト・スローン」が目の前にど〜と現われる。偉大なる白き王座、と呼ばれるこの岩はナバホ砂岩層の一枚岩。だが、実際は山。ヨセミテ公園のエルキャプテンに次いで、世界二番目の高さを誇るが、ザイオンに来て、この山を見なかったら来た甲斐がないとも言われるほど。そんなザイオンを代表する山を眺めながら、「すすり泣く岩」と言われる「ウイーピンク・ロック(Weeping Rock)」へ片道15分のハイキング。ザイオンでは、岩山のあちこちで岩清水がしみ出しているが、このウイーピンク・ロックからは、かなり大量の水が染み出し半端ってものじゃない。

 階段を上っていくと、ポトリ、 ポトリ、と水が降ってきて・・・、うぉぉ〜岩壁の一部がアーチ状に剥がれ落ち、そこから頭上へ滝のようにざあざあ〜と水のしたたり、急いでアーチのしたでで雨宿り。この水は、はるか 1200年前に降り積もった雪が解けて、巨大な岩の中をしみ通って出てきたものらしい。崖に下で立ちすくみながら、前方を眺めると、透き通るような澄んだ空間に、グレート・ホワイト、エンジェルスランディング、オルガノ、ケーブルマンテンなどの山々が聳え、私たちの魂に近づいてくるかのような〜、なんともはや神々しく美しい姿である!

 ほの暗い崖の下で佇んでいると、次第にコケの生えた岩肌が剥がれそうなので、「長居は禁物」と階段を下りる。道に沿って、サボテン、トクサン、オダマキ(モンキーフラワー)を見かける。静寂な山間に咲く清らかな花を愛でると、山、川、森などと糸線で結ばれた花物語がひそんでいそうな感じ・・・。

 ザイオンには昔、先住民族(インディアン)、アナサジ族が住んでおり、8世紀から13世紀の時代にかけて、マヤやインカに負けないほどの文化を持っていたと。 アナサジは13世紀にぴたりと消息を絶ち文明が途切れてしまう。摩訶不思議なことだが、食物の倉庫などガ今も残っていると聞く・・・。
 渓谷美を満喫しながらのハイキングも終わり。遠景近景の見事さ、浄らかな空気に充ちた山道だった。山小屋のムード満点のザイオンロッジに戻り、休憩。次の目的他はラスベガス。華やかな街での宿泊。おお、ラスベガス!!夜、月の光とネオンに照らされ、微かに心も揺れるのだろうか〜。うぃぃ〜楽しみ!

            古の水が落下

          崖下から古代の水が、
          どんどん下へ下へと落ちてゆき・・・
          ついに私の頭上へ
          こわれて砕け
          つるつるこけむしる石へと落下
          あの瞬間・・・
          しぶきに光があたり
          青い水が輝いた
          おお、太陽が古水を包んでいる!

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 写真2枚目「チェッカーオードメサ」
  4 「トンネル」
  5 「ノース・フォーク・ヴァージン川」
  6 「イースト・テンプル」
     7 「司教の宮殿」
  8〜9「ウエスト・テンプル・オルダー・オフ・サクリファイス山」
  10〜11ナチュラル・ブリッジがある山(右端)・ナチュラル・ブリッジ」
  12「ウエスタンテンプル、サンダイアル山、オルダー・オフ・サクリファイス山)
  13〜14「一枚岩のグレート・ホワイト・スローン」
  15〜16「ウイーピンク・ロック(Weeping Rock)」
  17「グレート・ホワイト、エンジェルスランディング、オルガノ、ケーブルマンテン」
  18〜19「オダマキ」
  24〜25「ザイオンロッジ」

            次回の更新は未定です

posted by 森 すえ at 05:01| Comment(16) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする